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オプションの法的根拠

オプションの法的根拠
(株主総会の招集の通知)
第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
引用元:会社法299条

送りつけ商法に関するトラブル

「一度検討します。」と回答されて、お電話を切っておられますので、購入する旨の意思表示はなく、売買契約は成立していません。ですから、代金の支払義務はありません。
事業者が、商品購入の申込みを受けていない者に対して、一方的に商品の送付をすることを、ネガティブ・オプションと言います(特定商取引法59条)。
売買契約が成立するには、当該商品の売買について当事者双方の意思表示の合致が必要となります。一方的に送りつけてきた商品を受け取っただけでは、未だ購入の意思を表していないのですから、ネガティブ・オプションの場合には売買契約は成立していません。普通に考えれば、「買うと言っていないものを勝手に送りつけてきて、どうしてお金を支払わなければならないのか」ということになると思いますが、法律論からいってもそのとおりです。

(2) 本の返送義務について

また、相手方が一方的に送りつけてきているわけですから、送付されてきた本を返送する義務もありません。例えば、請求書に「返送なきときは購入したものとして扱う」と記載されていた場合でも、返送の義務はありませんし、返送しなかったとしても売買契約は成立しません。
但し、送りつけられた商品は、送った業者の所有物ですから、勝手に処分することはしてはいけませんし、送付されてきた物を使用・消費したときは、購入を承諾する行為として評価されます(民法526条2項)。
また、送りつけられた商品については、保管義務が発生し、自己の財産と同一の注意をもって保管する義務を負うことになります(民法659条)。
しかし、何時までも保管しておくわけにもいきません。そこで、特定商取引法に規定がおかれています。

2.商品を受領した日から14日を経過する日までに、又は、商品の引き取りを請求したときは、請求日から7日を経過する日までに、商品を引き取りにこない場合には、事業者はその商品の返還請求権を失います。

一方的に商品が送りつけられてきた場合、
① 商品を受領した日から14日を経過する日までに、
② 又は、商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引き取りを請求した場合には請求の日から起算して7日を経過する日までに、
その商品の送付を受けた者がその商品の購入を承諾せず、かつ、販売業者がその商品の引き取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができないとされています(特定商取引法59条1項)
このように送りつけてこられた日から起算して14日を経過するか、引き取れという請求を行ってから7日を経過すれば、送付されてきた商品の購入を承諾しない限り、販売業者はその商品を返してくれとは言えなくなります。
従って、この期間が経過すれば、送られてきた商品を廃棄してもかまわないということになります。
但し、この規定には例外がありますので注意が必要です。

オプションの法的根拠

オプションの法的根拠
3.但し、商品の送付を受けた者が事業者で、かつ、その事業のために使用する商品が送付されたような場合には、2に記載した法律の適用がありません。

(1) 商行為の場合、特定商取引法59条1項は適用されない

(2) 事業と関係のある商品が送られてきた場合は要注意!!


4.内容証明郵便で送付してきた販売業者に引き取るよう請求するか、返送したほうがよいでしょう。

上記のとおり売買契約は成立していませんし、それを承諾する義務もありませんから、代金の支払義務はありません。また、商品の返還義務もありません。
しかし、商品を送付した業者が後で申込みを受けたとか、商品をどこにやったというようなことを言ってくることを避けるためにも、一方的に送りつけられて来たものであって売買契約は成立していないこと、商品の引き取りを要求することを記載した内容証明郵便で送付することが好ましいと思われます。また、売買契約不成立の内容証明郵便とともに商品を返送してもよいでしょう。

株式会社や有限会社のような会社は、法律上の商人とされています。そして商人がその営業のためにする行為は商行為とされています(商法503条1項)。会社の行為は全て営業のためにするもの=商行為となるという考え方があります。
この考え方は有力な立場なのですが、このように考えると、一方的に送りつけられてきた商品を株式会社や有限会社が受け取ってしまうと、その商品の送付を受けた者にとって商行為であるとされてしまい、2の特定商取引法59条1項の規定の適用がされないことになってしまいます。
あなたの会社が、書籍店であれば別でしょうが、社会問題を取り扱った書籍と会社の事業とが全く関係のない場合にも保護されないとするのも不合理だという疑問が起こってくると思います。

ネガティブオプション(送り付け商法)被害に要注意! 対応策を解説

ネガティブオプション(送り付け商法)被害に要注意! 対応策を解説

「注文していない商品が送られてきて、代金を請求された……」。このように、購入した覚えのない商品を送り付け、代金を請求する商法は『ネガティブオプション(送り付け商法)』と呼ばれます。
ネガティブオプションに関する相談件数は、消費者庁によると近年減少傾向にあるとされていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、便乗した商品の送り付けが横行していることから、現在は注意喚起が行われています。
実際に宮城県内でも、マスクを一方的に送り付けられる事案が相次いで発生したそうです。

1、よくあるネガティブオプションの事例とは?

(1)高齢者に健康食品を送り付けるケース

(2)海産物などを代引きで送り付けるケース

(3)布マスク全戸配布に便乗したケース

2、ネガティブオプションと法律

(1)鍵になるのは売買契約の成立の可否

売買契約は、 オプションの法的根拠 売り主と買い主の申し込みと、承諾の意思が合致すれば成立します (民法第555条)。
売買契約が成立すれば、売り主には商品引き渡し義務が生じ、買い主には代金支払い義務が生じます。

ネガティブオプションの場合は、商品の一方的な送り付けなどが行われますが、これは単なる契約の申し込みに過ぎません。その申し込みに対し、消費者が承諾の意思を表示しなければ売買契約は成立しません。
つまり 販売業者が「商品を返送しなければ購入したものとみなす」と主張したとしても、受け取った側が承諾しなかったときには売買契約は成立していません。 そのため商品を購入したものとみなされることはないのです。

(2)特定商取引法第59条

しかし、それでは被害を受けた側の負担が大きいとして、令和3年7月6日に施行された改正法では、14日間という期間が撤廃され、 金銭を得る目的で一方的に送り付けられた商品は、基本的には直ちに処分することができる ようになりました。たとえば、開封したり、使用したりしたとしても、消費者には支払い義務は生じません。
ただし、改正法が施行される以前(~令和3年7月5日)に届いたものについては、従前どおりの法律が適用されるため、注意が必要です。

なお、個人事業主や会社の事業所に対して、 事業に関連した商品が送り付けられた場合には、特定商取引法は適用されません。 そのため会社や個人事業主が業務に関連したネガティブオプションの被害にあったときには、業者へ承諾しない旨を通知したのち、商品を保管するないし商品を受取人払いで返送するなどの対応が必要になります。

特定商取引法改正(令和3年)の弁護士解説!送りつけ商法で直ちに処分可能・クーリングオフのメール通知が可能に!

消費者庁HPより引用

送りつけ商法対策・すぐ処分可能に!

送りつけ商法・ネガティブオプションとは 、注文していない商品を勝手に送り付け、その人が断らなければ買ったものとみなして、代金を一方的に請求する商法のことをいいます。

このように、購入の申込みをしていない人に一方的に商品を送りつけ、商品を受け取った人から、商品の返送または購入しない旨の通知がない場合は、勝手に購入の意思があるとみなして、その代金を請求する商法を、 「送り付け商法」「ネガティブ・オプション」 などと呼びます。

これまでは、送り付けられた商品については、一定期間保管する必要があり、商品が送られてきた日から数えて14日(送り付けた業者に引き取りの請求をした場合は、請求の日から数えて7日)を経過するまでに、商品を送り付けられた人がその商品を買うことに承諾するか、業者が引き取りをしない場合、上記期間を経過したときには、商品を送り付けられた人は、その商品を自由に処分できることとされていました。

しかし、 令和3年特定商取引法の改正により、送り付け商法によって送り付けられた商品については、14日(または7日)を待たずに、直ちに処分ができることとなりました

(売買契約に基づかないで送付された商品)
第五十九条
販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合には、その送付した商品の返還を請求することができない。

2 前項の規定は、その商品の送付を受けた者が営業のために又は営業として締結することとなる売買契約の申込みについては、適用しない。

第五十九条の二 販売業者は、売買契約の成立を偽ってその売買契約に係る商品を送付した場合には、その送付した商品の返還を請求することができない

特定商取引に関する法律

令和3年特定商取引法の改正により、特定商取引法59条の2が新設され、たとえば、業者が一方的に「ご注文いただきました商品を発送いたしました。」などと言って、売買契約があたかも成立しているように偽って商品を送ってきたような場合についても、当該商品について直ちに処分することができることが明記されることとなりました。

なお、 特定商取引法59条、59条の2の規定は、海外の業者から日本国内に居住する人に送り付けられた商品の場合にも適用される オプションの法的根拠 こととなります。

条文の読み方について、もう少し説明していきます。
特定商取引法の59条、59条の2の規定を読んでも、どこにも送り付けられた商品を処分して良いとは書いていないのでは?と疑問に思うかもしれません。

しかし、上記のとおり、 送り付け商法による場合、特定商取引法59条や59条の2の規定により、商品の返還を請求できないとされるため、所有権が自分にあったとしても、それを理由に商品の返還を求めることができなくなります
つまり、商品の所有権が、業者から商品を送り付けられた人に移ったことと同じ状態になります。

消費者庁のパンフレットより引用

詐欺的な定期購入商法対策・申込みの取り消しが可能に!

「初回無料」「今だけ500円」や「いつでも解約可能」などと謳っていたのに、実は、定期購入を条件とする価格であったり、解約の条件が事細かく決まっていたりして、それを見落とした消費者が、定期購入代金として高額の代金を請求されたり、解約ができなかったりする 「詐欺的な定期購入」商法によるトラブル が近年増えてきています。

消費者庁が挙げている「定期購入に関する消費者生活相談件数の推移」を見ても、 近年急激に増加 してきており、2020年では56、302件で、2019年の44、751件から約26%増加しています。また、2020年の定期購入に関する相談件数の 9割以上が、インターネット通販 によるもととされています。

消費者庁HP「定期購入に関する消費者生活相談件数の推移」より引用

このような商品の購入環境の変化に伴い、あえて消費者が誤解を招くような宣伝をしたり、契約内容や返品解約などの特約について見落とされるように記載したりするような、消費者の脆弱性につけ込む悪質商法による被害が増加してきたこともあり、 令和3年改正の中で、売買契約などの契約の申込みの取消しを認める制度を創設 しました。

消費者庁HPより引用

(通信販売における契約の申込みの意思表示の取消し)
第十五条の四
特定申込みをした者は、販売業者又は役務提供事業者が当該特定申込みを受けるに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該特定申込みの意思表示をしたときには、これを取り消すことができる。
一 第十二条の六第一項の規定に違反して不実の表示をする行為 当該表示が事実であるとの誤認
二 第十二条の六第一項の規定に違反して表示をしない行為 当該表示がされていない事項が存在しないとの誤認
三 第十二条の六第二項第一号に掲げる表示をする行為 同号に規定する書面の送付又は手続に従つた情報の送信が通信販売に係る売買契約又は駅務提供契約の申込み隣らないとの誤認
四 第十二条の六第二項第二号に掲げる表示をする行為 同条第一項各号に掲げる事項についての誤認
2 第九条の三第二項から第五項までの規定は、前項の規定による特定申込みの意思表示の取消しについて準用する。

(特定申込みを受ける際の表示)
第十二条の六
販売業者又は役務提供事業者は、当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が定める様式の書面により顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又は当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従つて顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み(以下「特定申込み」と総称する。)を受ける場合には、当該特定申込みに係る書面又は手続きが表示される映像面に、次に掲げる事項を表示しなければならない。

一 当該売買契約に基づいて販売する商品若しくは特定権利又は当該役務提供役務契約に基づいて提供する役務の分量

二 当該売買契約又は当該役務提供契約に係る第十一条第一号から第五号までに掲げる事項

2 販売業者又は役務提供事業者は、特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面において、次に掲げる表示をしてはならない。

一 当該書面の送付又は当該手続に従った情報の送信が通信販売に係る売買契約又は役務提供契約の申込みとなることにつき、人を誤認させるような表示

二 前項各号に掲げた事項につき、人を誤認させるような表示

(通信販売についての広告)
第十一条
販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、主務省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約に係る申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
五 商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約の申込みの撤回又はの解除に関する事項(第十五条の三第一項ただし書に規定する特約がある場合にはその内容を、第二十六条第二項の規定の適用がある場合には同項の規定に関する事項を含む。)
六 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項

(訪問販売における契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第九条の三

2 前項の規定による訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもつて善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
3 第一項の規定は、同項に規定する訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示に対する民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十六条の規定の適用を妨げるものと解してはならない。
4 第一項の規定による取消権は、追認をすることができる時から一年間行わないときは、時効によつて消滅する。当該売買契約又は当該役務提供契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。
5 民法第百二十一条の二第一項の規定にかかわらず、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約に基づく債務の履行として給付を受けた申込者等は、第一項の規定により当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消した場合において、給付を受けた当時その意思表示が取り消すことができるものであることを知らなかつたときは、当該売買契約又は当該役務提供契約によつて現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

特定商取引に関する法律

【取消しができる要件】
・特定申込みをした者であること
・各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによって当該特定申込みの意思表示をしたこと

「特定申込み」 とは、簡単にいうと、販売業者などが用意した書面やインターネット上での申込みフォームなどに、購入する人が必要事項を記入して行う契約の申込みのことをいいます。

次に、 販売業者などが一定の行為をしたことで、購入者が誤解をしたことで、「この商品(サービス)を買います」などと上記特定申込みをしたことが必要 となります。

  • 販売する商品や提供する役務の分量について事実と異なる表示をする行為(1号)
  • 販売する商品や提供する役務の分量を表示しない行為(2号)
  • 書面の送付やフォームからの送信が申込みとなることについて誤認させる表示をする行為(3号)
  • 販売する商品や提供する役務の分量や販売価格、支払い時期・方法、商品の引渡し時期等、申込み期間内容等、申込みの撤回や解除に関する事項について誤認させる表示をする行為(4号)

また、実際は、定期購入の商品で、2回目以降は1箱5000円となるにもかかわらず、「今申し込んだ人には、特別価格1箱1000円」などと宣伝し、小さく※印や注意書きで上記条件を書いていた場合などの詐欺的な商法についても、商品の分量や価格などについて誤認させる表示をし、購入者を誤認させた場合にも、申込みの意思表示を取り消すことができると考えられます。

なお、この取消しには 時効 があり、誤認と気づいて取り消すかそのまま購入するかを判断できるようになった時点(追認をすることができる時)から 1年間 経過したときまたは契約を締結した時点から 5年 を経過したときは、取り消すことができなくなるので注意が必要です。

クーリングオフの通知がメール(電磁的記録)でも可能に!

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しかし、 令和3年改正により、上記書面による通知に加え、電磁的記録(電子メールなど)により行うことができる こととなりました。

また、事業者が契約の際に交付しなければならない 法定書面 についても、消費者の同意があれば、電磁的記録(電子メールなど)により行うことができることとなりました。

(訪問販売における契約の申込みの撤回等)
第九条
販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と商品若しくは特定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条から第九条の三までにおいて「申込者等」という。)は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、申込者等が第五条第一項又は第二項の書面を受領した日(その日前に第四条第一項の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過した場合(申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第六条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が主務省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した場合)においては、この限りでない。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5 販売業者又は役務提供事業者は、商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該売買契約に基づき引き渡された商品が使用され若しくは当該権利が行使され又は当該役務提供契約に基づき役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該商品の使用により得られた利益若しくは当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭又は当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7 役務提供契約又は特定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該特定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該特定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

(電話勧誘販売における契約の申込みの撤回等)
第二十四条
販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客から商品若しくは特定権利若しくは役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が電話勧誘行為により電話勧誘顧客と商品若しくは特定権利若しくは役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条から第二十四条の三までにおいて「申込者等」という。)は、書面又は電磁的記録によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、申込者等が第十九条第一項又は第二項の書面を受領した日(その日前に第十八条第一項の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過した場合(申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第二十一条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が主務省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した場合)においては、この限りでない。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5 販売業者又は役務提供事業者は、商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該売買契約に基づき引き渡された商品が使用され若しくは当該権利が行使され又は当該役務提供契約に基づき役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該商品の使用により得られた利益若しくは当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭又は当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7 役務提供契約又は特定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該特定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該特定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

(連鎖販売契約の解除等)
第四十条
連鎖販売業を行う者がその連鎖販売業に係る連鎖販売契約を締結した場合におけるその連鎖販売契約の相手方(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人に限る。以下この章において「連鎖販売加入者」という。)は、第三十七条第二項の書面を受領した日(その連鎖販売契約に係る特定負担が再販売をする商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。以下この項において同じ。)の購入についてのものである場合において、その連鎖販売契約に基づき購入したその商品につき最初の引渡しを受けた日がその受領した日後であるときは、その引渡しを受けた日。次条第一項において同じ。)から起算して二十日を経過したとき(連鎖販売加入者が、統括者若しくは勧誘者が第三十四条第一項の規定に違反し若しくは一般連鎖販売業者が同条第二項の規定に違反してこの項の規定による連鎖販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は統括者、勧誘者若しくは一般連鎖販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による連鎖販売契約の解除を行わなかつた場合には、当該連鎖販売加入者が、その連鎖販売業に係る統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該連鎖販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき)を除き、書面又は電磁的記録によりその連鎖販売契約の解除を行うことができる。この場合において、その連鎖販売業を行う者は、その連鎖販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
2 前項の連鎖販売契約の解除は、その連鎖販売契約の解除を行う旨の書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。
3 第一項の連鎖販売契約の解除があつた場合において、その連鎖販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は、その連鎖販売業を行う者の負担とする。
4 前三項の規定に反する特約でその連鎖販売加入者に不利なものは、無効とする。

(特定継続的役務提供等契約の解除等)
第四十八条
役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約を締結した場合におけるその特定継続的役務提供受領者等は、第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき(特定継続的役務提供受領者等が、役務提供事業者若しくは販売業者が第四十四条第一項の規定に違反してこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務提供受領者等が、当該役務提供事業者又は当該販売業者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき)を除き、書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。

2 前項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合において、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品(以下この章並びに第五十八条の二十二第二項、第五八条の二十六第一項及び第六十六条第二項において「関連商品」という。)の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、当該商品の販売に係る契約(以下この条、次条及び第五十八条の二十二第二項において「関連商品販売契約」という。)についても、前項と同様とする。ただし、特定継続的役務提供受領者等が第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した場合において、関連商品であつてその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該特定継続的役務提供受領者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)は、この限りでない。

3 前二項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除及び関連商品販売契約の解除は、それぞれ当該解除を行う旨の書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。

4 第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合においては、役務提供事業者若しくは販売業者又は関連商品の販売を行つた者は、当該解除に伴う損害賠償若しくは違約金の支払を請求することができない。

5 第一項の規定による特定権利販売契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合において、その特定権利販売契約又は関連商品販売契約に係る権利の移転又は関連商品の引渡しが既にされているときは、その返還又は引取りに要する費用は、販売業者又は関連商品の販売を行つた者の負担とする。

6 役務提供事業者又は販売業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合には、既に当該特定継続的役務提供等契約に基づき特定継続的役務提供が行われたときにおいても、特定継続的役務提供受領者等に対し、当該特定継続的役務提供等契約に係る特定継続的役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。

7 役務提供事業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除があつた場合において、当該特定継続的役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、これを返還しなければならない。

8 前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。

(業務提供誘引販売契約の解除)
第五十八条
業務提供誘引販売業を行う者がその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約を締結した場合におけるその業務提供誘引販売契約の相手方(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人に限る。以下この条から第五十八条の三までにおいて「相手方」という。)は、第五十五条第二項の書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき(相手方が、業務提供誘引販売業を行う者が第五十二条第一項の規定に違反してこの項の規定による業務提供誘引販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は業務提供誘引販売業を行う者が同条第二項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による業務提供誘引販売契約の解除を行わなかつた場合には、相手方が、当該業務提供誘引販売業を行う者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき)を除き、書面又は電磁的記録によりその業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる。この場合において、その業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。

2 前項の業務提供誘引販売契約の解除は、その業務提供誘引販売契約の解除を行う旨の書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。

3 第一項の業務提供誘引販売契約の解除があつた場合において、その業務提供誘引販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は、その業務提供誘引販売業を行う者の負担とする。

4 前三項の規定に反する特約でその相手方に不利なものは、無効とする。

(訪問購入における契約の申込みの撤回等)
第五十八条の十四
購入業者が営業所等以外の場所において物品につき売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は購入業者が営業所等以外の場所において物品につき売買契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約を締結した場合を除く。)におけるその売買契約の相手方(以下この条及び次条において「申込者等」という。)は、書面又は電磁的記録によりその売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、申込者等が第五十八条の八第一項又は第二項の書面を受領した日(その日前に第五十八条の七第一項の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過した場合(申込者等が、購入業者が第五十八条の十第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は購入業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該購入業者が主務省令で定めるところにより当該売買契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した場合)においては、この限りでない。

2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。

3 申込者等である売買契約の相手方は、第一項の規定による売買契約の解除をもつて、第三者に対抗することができる。ただし、第三者が善意であり、かつ、過失がないときは、この限りでない。

4 申込みの撤回等があつた場合においては、購入業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。

5 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る代金の支払が既にされているときは、その代金の返還に要する費用及びその利息は、購入業者の負担とする。

6 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

特定商取引に関する法律

特定商取引法改正のまとめ

一番大事なことは、通販などで商品を購入する際には、しっかりと商品の説明や契約の内容、特に、解約ができるのかや違約金などが発生するのかなど、について事前に確認する習慣を身につけること です。

新しい報酬制度:リストリクテッド・ストックに関連する法制度の整備について

そこで、1 に述べたように株式報酬制度の重要性が改めて見直されたことを踏まえ、経済産業省の「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」は平成27年7月24日に報告書をとりまとめ、リストリクテッド・ストックを含む新しい株式報酬の導入に関する会社法上の整理を行いました。
具体的には、金銭の報酬債権を現物出資することにより株式を発行するという整理が可能であることが明らかにされています。この点は、さらに、平成28年4月28日に公表された経済産業省産業組織課『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引~』(その後6月3日更新あり)においてより明確化され、詳細な手続が解説されています。

リストリクテッド・ストックの導入に係る制度の整備②(平成28年税制改正)

平成28年税制改正による課税タイミングの明確化

次に、税法上の問題については、平成28年税制改正(所得税法等の一部を改正する法律(平成28年3月29日成立、4月1日施行))において、一定の要件を満たすリストリクテッド・ストックは「特定譲渡制限付株式」と新しく定義され、これを付与された個人は、付与された日ではなく譲渡制限が解除された日に、その日の株式の価額で課税されることが明確になりました。

特定譲渡制限付株式とは

  1. まず、税法上の「譲渡制限付株式」に該当する必要があります。「譲渡制限付株式」の要件はおおむね以下のとおりです(所得税法施行令84条1項)。
    • 譲渡が制限される期間(譲渡制限期間)が設けられていること
    • 企業が無償で株式を取得することとなる事由が定められていること
  2. 上記 1 に加えて、「特定譲渡制限付株式」となるには、役務の提供の対価として、役務を提供した個人に生じる債権の給付と引き換えに譲渡制限付株式が交付されることが必要です。
    もっとも、3−2 において述べたような、「金銭の報酬債権を現物出資する」という方法を採用すれば、基本的にはこの要件は満たされると考えられます。

役員に対する支給を「事前確定届出給与」として損金算入することが可能に

なお、同時に改正された法人税法により、企業は、(付与日が属する事業年度ではなく)付与された役員が課税を受ける事業年度(つまり譲渡制限が解除された日が属する事業年度)に一定の要件のもとで、「事前確定届出給与」として損金算入が可能となりました(法人税法34条1項2号)。ただし、特定譲渡制限付株式を付与された個人に対する課税のベースとは異なり、損金算入が認められる金額は通常の場合、譲渡制限が解除された日の株式の価額ではなく、給付と引き換えに現物出資された報酬債権の金額に基づきます(法人税法54条1項、法人税法施行令111条の2第5項)。これは、基本的には現行のストック・オプションに関する損金算入の考え方と同様です。

リストリクテッド・ストックの導入に係る制度の整備③~企業内容等開示府令の改正(平成28年8月)

総額1億円以上の付与を行うには原則として有価証券届出書の提出が必要

3−2 に述べたように、会社法上リストリクテッド・ストックの付与が金銭の報酬債権を現物出資することにより株式を発行することと整理した結果、リストリクテッド・ストックの付与は無償ではなく、金銭の報酬債権という財産の払込みを要求する有償の取引であることが明らかとなりました。そのため、株式の発行価額(つまり現物出資される報酬債権の金額)の総額が1億円以上となる場合には、「有価証券の募集」に該当し、金融商品取引法に基づく有価証券届出書の提出が必要となります(金融商品取引法4条1項)。

改正前は第三者割当の場合の特記事項としての開示も必要であった

そのため、有価証券届出書において「第三者割当の場合の特記事項」として、追加の開示が要求されます(たとえば、割当予定先の選定理由、割当予定先の株式の保有方針等の記載が要求されます)(企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」といいます)第二号様式第一部の第3)。5-3 に説明する開示府令が改正されるまでは、リストリクテッド・ストックの付与もこの「第三者割当」に含まれていました。

開示府令の改正により、「特定譲渡制限付株式」を役職員に付与する場合は特記事項の開示が不要となった

ところで、ストック・オプション(譲渡制限条項付の新株予約権)の付与は、役職員に対する報酬制度という性質に鑑み、従来から「第三者割当」の定義から外されていました(開示府令19条2項1号ヲ(2))。
今回のリストリクテッド・ストックを導入するための手続の整理にあたり、リストリクテッド・ストックの有価証券届出書における開示上の取扱いは、同様に役職員に対する株式報酬と位置付けられるストック・オプションの開示上の取扱いと同様とするのが適当であると判断されたことから、平成28年8月19日付の「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」によって、税法に定める「特定譲渡制限付株式」(4-2参照)を役職員に付与する場合も「第三者割当」の定義から除外されました(開示府令19条2項1号ヲ(3))。その結果、同日以降のリストリクテッド・ストックに関する有価証券届出書においては、5-2 で説明した「第三者割当の場合の特記事項」の記載が不要となりました。
なお、既に改正後の規定に基づくリストリクテッド・ストックの有価証券届出書の提出事例があります。

アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業

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アンダーソン・毛利・友常法律事務所 パートナー弁護士・公認会計士・米国公認会計士 2000年弁護士登録、2006年公認会計士登録、2009年米国イリノイ州公認会計士(RCPA)登録。2008年米国イリノイ大学会計学修士号取得。 2011年7月〜2013年7月任期付公務員として金融庁総務企画局企業開示課に勤務。2016年日本アクチュアリー会正会員登録(理事長賞受賞)。 金融商品取引法に基づく開示・会計・監査制度に関する論文を多数執筆。

【弁護士監修】ストックオプション発行時の手続きと注意点を徹底解説

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(株主総会の招集の通知)
第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
引用元:会社法299条

(招集手続の省略)
第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
引用元:会社法300条

株主総会でストックオプションの発行を決議する

株主総会の場では、実際にストックオプションを発行して良いかを審議・決議します。ストックオプション(新株予約権)の募集事項の決定は、株主総会の特別決議によることが必要です(会社法238条2項、309条2項6号)。したがって、発行決議には議決権の3分の2以上(定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合)の賛成が必要になります。

募集新株予約権の申込み・割当てまたは総数引受契約の締結

(募集新株予約権の申込み)
第二百四十二条 株式会社は、第二百三十八条第一項の募集に応じて募集新株予約権の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
引用元:会社法242条

(募集新株予約権の割当て)
第二百四十三条 株式会社は、申込者の中から募集新株予約権の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる募集新株予約権の数を定めなければならない。この場合において、株式会社は、当該申込者に割り当てる募集新株予約権の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。
引用元:会社法243条

ストックオプションを取得しようとする者は、会社の募集に応じて引受けの申し込みを行います。会社はそれに対して割当てを決定し、実際にストックオプションを申込者に割り当てます

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